製造業を意識したファクトリーヘルパー

「勤怠管理ソフトウエア」のキーワードで検索すると、このサイトが1位に上がってきます。やったぁ!てなもんですね。ただし、この一位は割引して考える必要がありそうです。まずはblogspot.comというGoogle管轄下のエンジンを使用していること。その2として、nippomac.comからのリンクがあること、の影響があると思っています。nippomac.comもぼくのサイトですから、まぁぼくの実績の結果だと言えば言えないこともありませんが・・・。

さて、Factory Helper: 製造業に特化した勤怠ソリューション と高らかに謳っております。大いに結構!全部の機能を一覧するにはサイトの右上にあるメニューから「主要機能一覧」をクリックするのがよさそうです。

NECというとぼくの現役時代にもいくつか思い出があります。ひとつは衝撃のパソコンPC-8001です。メモリーなんかほとんどゼロ。とにかく何かに利用するためには、きちんとプログラムを作らなければ何もできない時代でした。想像できないでしょ?エクセルもマルチプランも何もないのですから足し算するにもプログラム。書類を作るなどと言うことは考えもしませんでした。それが9801になり、そういえばPC-100などという名機もありました。これには浮島さんとこのワープロソフトがはじめて載りました。とても快適に利用できたのを覚えています。

まぁ思い出話はここら辺にして、ファクトリー・ヘルパーです。

1.メニューからシステム構成をクリックしてみていただけますか?ウェブベース構成をとっているので、サーバーが必要になります。すなわち自社でサーバーを持っておられない場合にはNECソフトウエア中部にサーバーを依存せねばなりません。当然それなりの支払いが発生します。したがってそこそこの社員数でないとコストが合わない、かもしれません。
まぁある程度の社員数がない限りはこの種のシステムを検討することもないでしょうから、これはOKですよね。でもある程度の社員数とはどのくらいなのか?いつも悩みます。そりゃぁあなた、自分が営業してたころは「100人を越えたら絶対に欲しいシステムですよ」みたいな売り込みをしたこともありますが、微妙ですね。当時は右肩アガリのころですから、このセリフのあとに「だって、企業は当然大きくなるでしょうし・・・」みたいなフォローができましたが、今は難しいで。はい、このシステムがターゲットにしている製造業を前提に話しています。

で、製造業でなければ使えないか?というとそんなことはありません。計画の入力や交代制の管理も可能ですから、サービス業でも使えます。ただし出力帳票のタイトルを変える必要はあるでしょうがね。

人数は?ぼくは300人前後の従業員が最低ラインだと思っています。勤怠管理や従業員情報を専門に扱う
部署が総務部門から独立もしくは総務部内で分割せねばならなくなる人数がこの辺だからです。お役所なら分轄するやいなや自己増殖しかねませんが、製造業にとってもサービス業にとってもこの部門は間接部門でして、金を生みません。

したがってできるだけ作業工数を減らす手立てを作っていかないと、あっという間に費用倍増です。そりゃぁそうですよね、30人分計算が間に合わないからと言って、放置するわけには行かず、その分を処理するのにひとり人員を増やしたら「余った時間は遊んでろ」なんてぇことはできません。ですからなんらかのシステムを準備しておくべきだと考えるのです。

2.タイムレコーダーを販売している人間としては、この構成図上タイムレコーダーをサーバーに直結しているのが気にいりません。このサイトでは特別タイムレコーダーを紹介してはいませんから、言えば紹介してくれるのでしょうけれども、いささかフェアではないのです。サーバー直結型のタイムレコーダーってご存知ですか?ちょっと探してみましょうか。

キズナジャパン社が掲載しているタイムレコーダー端末には確かにサーバー直結になるものがあります。こちらでご覧ください。 いずれもタイムレコーダーとしての単一機能を持つデバイスではありません。またソニーの端末が一瞬そうなのかな?と思いましたが、これも結局はPCへ接続して利用するようになっています。

でもここでちょっと偉ぶっていいですか?チェックライターはもう死んじゃいました。タイムレコーダーも単機能の市場しかなくなってきました。と言うことはぼくが1989年に合併を決意したこと自体に間違いはなかったということなのですよ。改めて能力の低さを呪うのですが、まぁこれは余計なことです。

3.処理形態やらソフトウエアに関しても一言申し上げておきましょう。
ファクトリー・ヘルパーのメニューに戻ってシステム概要をクリックしてください。システム図が載っていますが、下部のオレンジ色の背景色のところに『原価システム』と記載されています。おっ!と思いました。
ところが原価システムにどのようなデータを引き渡すのか何も記載がありません。惜しいですねぇ。こここそファクトリー・ヘルパーと名乗る意味を強調するところではないのでしょうか。まぁNEC中部にとって勤怠管理システムの売上なぞ微々たる物でしょうから、特に金をかける必要も無いのかもしれませんが・・・。

で、冒頭ご案内の主要機能一覧をチェックするとページをスクロールダウン一回したところの「勤怠情報管理機能」にPJ別作業工数報告、週間作業報告があり、また「管理帳票機能」のブロックにPJ別工数実績照会、原価情報出力のニ帳票、合計三点の帳票名が表示されています。

ところが現物の表示はありません。ということは?その程度の認識なのですね。ぼくはこのソフトウエア自体のセールスポイントを製造現場に直結した原価システムサポート型勤怠管理である、と認識します。さもないとほかの勤怠管理ソフトウエアとの差別化要素が見えません。でしょ?

ぼくらの世代とは違い、今の総務系社員はPCにずっとなじんでいますから、基本的に出力帳票やデータ加工はどうにでもなることを知っています。であればソフトウエア販売にあたり意識するところは、ほかとどう違うのかのアピール方法一つです。全員が同じ商品をネット販売するドロップシッピングでは価格で勝負するしかやりようがありません。この場合、いずれ儲けがなくなれば誰も扱わなくなります。そうなんですよ、お客さまと特別濃いつながりを作れるわけでもなし、日常的にビジネスするわけでもないのですからね。それがネット通販の宿命です。

となれば、せっかくすてきなネーミングがあって、サイトも上手なコピーライティングができているのに、画像が無いために印象が薄くなっていてとてももったいないと感じるのです。あっと、もう一つ申し上げておきましょう。画像をクリックすると表示される画像が小さいんです。もう一回り大きくしてくれると帳票のタイトルやら文字がはっきり読み取れます。だって、帳票を見せたいとお考えなんでしょ?なにもディスプレー全体を使うことはありません、今の液晶画面にはとても大きいのがありますから。

4.結論: さてそれでは実際にファクトリー向けの設計ができているか?管理帳票は上記の原価部分が分かりませんが、掲載されている範囲ではほぼ100点ではないでしょうか。ただタイムレコーダーを販売している人間としてはこれを申し上げておきたいのですよ。

タイムレコーダー端末の扱いです。PC画面からの入力に優先順位を与えていますが、事務部門はともかく現場で作業員一人一人がPCから入力する場面を想像させるのはまずいのではないかと思います。しかも中部地区に実績3件で、いずれも自動車関連、となれば独立したタイムレコーダー端末を利用していると思いますが、いかがでしょう。工場にはタイムレコーダー端末必須だと思います。

で、ぼくが社長ならこのシステム導入にゴーサインを出すか?基本OK、コスト次第ですね。NECの昔からのやり方とおりにサーバー契約に固執するようであれば、別系のクラウドタイプの方が面白そうです。いやいや勝手なことを申し上げました。事実と違う部分があれば、ぜひご指摘ください。